冬の防災 ポータブル電源で灯油ファンヒーターは動くのか?

ポータブル電源で石油ファンヒーターを動かす ポータブル電源
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ポータブル電源は災害の時にも役に立つと思い購入しました。スマホの充電をしたり、照明をつけたり、扇風機を回したりなど大電流を食わない使い方なら実用的に使えると思います。

しかし、冬に大地震等の災害が発生して停電したらどうでしょうか?
冬に一番大切なのは暖房です。冬に暖房がないと命の危険があります。

ということで、ポータブル電源で石油ファンヒーターが動くかを検証してみました。

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なぜ石油ストーブを動かしたいのか?

真冬に災害が起こって暖を取る必要がある場合。複数人の命を守るためには部屋をしっかりと暖める必要があります。

ポータブル電源とセラミックヒーター等の電熱ヒーターで暖を取ることはできるでしょうか?

実用的には不可能だと思います。

例えば、量が720Whのポータブル電源 RIVER Pro で500Wのセラミックヒーターを動かした場合、1時間とちょっとの間しか動かせません。しかも500Wでは部屋全体を暖められません。これでは災害時には役に立たないでしょう。

部屋をしっかり暖めるには3kW以上の暖房能力が必要で、これを満足するためには灯油を燃やすタイプのストーブを使用する必要があります。

電気が不要な灯油ストーブが家にあればいいですが、最近では「石油ファンヒーターしかない」ということも多いのではないでしょうか?

石油ファンヒーターは電気がないと使えないので、普通は災害時に使えません。もしこの石油ファンヒーターがポータブル電源で動くとしたら災害時にすごく役立つのではないでしょうか?
そんな思いからポータブル電源で石油ファンヒーターを動かす実験をすることにしました。

ポータブル電源と石油ファンヒーター

今回実験で下記の組み合わせで行いました。

ポータブル電源:EcoFlow RIVER Pro (容量720Wh、AC定格出力600W)

石油ファンヒーター:コロナ FH-WZ3615BY(暖房出力3.6kW)

ポータブル電源と石油ファンヒーター

ポータブル電源はEcoFlowのRIVER Proです。電源自体の容量は720Whです。
AC出力の定格出力は600W (サージ1200W)です。

また「X-Boostスマートアルゴリズム」という機能が搭載されており、最大で1200W出力のデバイスに電力を供給できるそうです。(おそらく、出力が600WになるようにACの電圧を下げて出力を調整するのだと思います。すべての機器が安定して作動するわけではなさそうです。)

ポータブル電源 EcoFlow社製のRIVER Pro

石油ストーブはコロナ(CORONA)のFH-WZ3615BYです。暖房出力は3.6kWなので10畳程度の部屋が暖められます。

消費電力は下記のとおりです。

  • 点火時最大 650W
  • 強燃焼時 22W
  • 弱燃焼時 11W
  • 待機時 0.8W

起動するする時に灯油を引火温度まで上げるため内臓ヒーターが働きます。そのため点火前の消費電力は650Wと大きいです。いったん灯油に火が付けば、後は電力はファンを回すことだけに使用されるので、消費電力が22Wまで下がります。(スペック上)

石油ファンヒーターのスペック

今回使用するポータブル電源 RIVER Pro の定格AC出力は600Wで、石油ストーブの起動時消費電力は650Wなので若干スペックが足りていません

果たしてポータブル電源で石油ストーブを動かすことはできるのでしょうか?

石油ストーブ起動

さっそくポータブル電源のAC出力に石油ストーブを接続して起動してみます。

AC出力のコンセントに石油ストーブを接続。コンセントの横にある「AC ON/OFF」ボタンを押し出力機能をONにします。

石油ストーブの電源ボタンを押して石油ストーブを起動します。
設定温度は19℃に設定しました。室温が13℃なので”強燃焼モード”で起動するはずです。

石油ストーブの起動中にポータブル電源の画面を確認してみます。

消費電力は590W程度で安定しています。
この状態が2分程度続きました。その後「ボッ」という音とともに石油ストーブ内で燃焼が開始しました。

石油ストーブの起動に成功しました。

ポータブル電源の画面-石油ストーブ起動中

消費電力が RIVER Pro の定格AC出力600Wに対してギリギリでした。
起動時の消費電力は気温等で変動するかもしれないので、確実に起動できるのかどうかは分かりませんが、今回は成功しました。

燃焼中の消費電力

いったん燃焼が始まると、消費電力は22Wに下がりました
石油ストーブのスペック(強燃焼時:22W)通りです。

ポータブル電源の画面によると、この状態なら32時間燃焼を続けることができます

Eco Flowのスマホアプリで消費電力の推移をみても石油ストーブの燃焼が開始した瞬間に消費電力が急激に低下しています。

結論:30時間以上石油ストーブを動かすことができる

結論としては、ポータブル電源(EcoFlow RIVER Pro AC定格出力600W)で石油ファンヒーターを動かすことができました。

いったん燃焼さえ始まってしまえば、石油ストーブの消費電力は22Wと低く30時間以上連続使用が可能でした。

これなら真冬に災害が起こっても2日程度は暖を取ることができます。

ただし、石油ストーブの起動時の消費電力は EcoFlow RIVER Proの定格電力ギリギリのため、どんな気温でも確実に起動できるかどうかは分からないため過信は禁物です。

しかし、防災を考えるとポータブル電源を一つ用意しておくと助けになのではないかなと思います。

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